スマートフォン用ページを表示

事例

不動産の家族信託契約

 以前から弊事務所とお付き合いのあるお客様から、「母名義の土地と建物を将来売ることになりそうです。母も高齢なので、不動産会社との売買契約を締結するときに、心身の衰えがあって契約手続きができなくなるかもしれません。今のうちに何か良い方法はありますか?」とのご相談を受けました。
 お母様名義の建物の一部は、賃貸していて家賃はお母様が受け取っています。
 そこで、こちらから、「不動産の家族信託契約を結んではいかがですか?」とお話しし、その手続についてご説明したところ、お客様も納得されました。
 「不動産の家族信託契約」の概要としては以下のとおりです。

  1. 不動産の所有者はお母様から娘様に移転し、娘様はその不動産を適切に管理することになります。
  2. 今までお母様が受け取っていた家賃は娘様が管理し、お母様に渡します。
  3. 将来、不動産を売ることになった場合、お母様に代わり、娘様が売買契約を締結します。
  4. 売買契約で得た収益は、お母様が得ることになります。その際の税金はお母様が支払います。

家族信託の仕組み

家族信託の仕組み

信託の基礎用語

委託者 :財産を預ける人

受託者 :財産を預かり管理する人

受益者 :信託財産から経済的利益を受け取る人

信託財産:預ける財産。家族信託では、不動産・現金・未上場株が中心。

信託目的:何のために信託による財産管理をするか、という信託設定の
趣旨・大義名分。受託者はこの目的に沿った管理を行う。

受益権 :受益者が持つ信託財産から経済的利益を得る権利。

信託行為:信託を設定する方法で、①契約(信託契約)②遺言(遺言信託)
③信託宣言(自己信託)の3つがある。

 以上のように、「所有権(名義)」は「形式的」には娘様になりますが、実際にその不動産から生じる収益はお母様のものになります。
 「信託」とは、その文字通り、「信じて託す」ものです。
 現在利用の多い「後見制度」や、自分が亡くなったあとのことを書く「遺言書」とは、また違う方法で、自分の財産管理ができる、というものが「家族信託」です。

 弊事務所でも、最近、「家族信託契約」の相談が増えてきました。お自分の財産管理の方法として、ぜひお考えになることをお勧めいたします。
 お気軽にご相談ください。

複雑な家族関係での相続例

【相続関係説明図】
相続関係説明図
▲クリックで拡大表示
  1. 被相続人(亡くなった人)が、生前に自筆遺言証書を書かれていました。
  2. 被相続人の老後の面倒を看たのは、おいとめいでした。
  3. 遺言書の内容は、「自分の土地、建物はめいに遺贈する。現預金については、おいとめいで分割する」というものでした。
  4. 被相続人には相続順位第1位の、2人の子がいました。そのうち一人は亡くなっており、その子(被相続人からみると孫)が「代襲相続」することになります。
  5. 本来であれば、第1順位の子、孫が相続するところですが、子が幼い時に被相続人は離婚し、失踪してしまいました。
  6. そして、最終的にめいのところでお世話になることになりました。
  7. 子、孫も母親である被相続人の記憶も薄く、あるいは知らない状況でした。
  8. そういう経緯で、被相続人は「遺言でおい、めいに財産残そう」としたのです。
  9. 当事務所が相続第1順位の、子、孫に手紙を書き、「遺言書で、おい、めいに財産を残す内容になっています。」とのことを伝えました。
  10. 子、孫からの返事は、「分かりました。相続財産はいりません。」との主旨のものでした。
  11. 遺言の対象になっている、おい、めいにそのことを伝えると、「それでは、子、孫に申し訳ない。ハンコ代程度でも分割したい」との意思で、子、孫には「ハンコ代程度の金額」を送金し、そのほかはすべて被相続人の遺言書どおりに遺産の分割をしました。
  12. 当然ながら、子、孫が優先権がありますが、幼い時に分かれ、顔もよく覚えていないような状況から、最終的に被相続人である母が、最終的にお世話になった、おい、めいに財産をあげることに同意されたのです。
  13. このように、大変複雑で、人間関係や、被相続人はじめ関係者の過去をたどる相続手続は、非常に困難でしたが、おさめることができました。

独身の被相続人に子供がいることが判明

  1. 独身の男性が亡くなりました。
  2. この男性には「離婚歴」がありました。
  3. その男性には兄弟姉妹がいて、離婚以来、その兄弟姉妹が男性に金銭的な援助や生活の補助をしていました。
  4. 最初にご相談に来られた甥の方は、「ひょっとしたら叔父(亡くなった男性・被相続人)の子供がいるかもしれない。いたようなことを聞いた。」とのことでした。
  5. 早速、戸籍の収集を行い、調べたところ、被相続人が婚姻期間中に、女の子が一人いることが判明しました。
  6. 最初は、被相続人の親も全員亡くなっていたので、兄弟姉妹が相続人になると考えていましたが、被相続人の「子」が健在であることが判明し、相続順位第1位の「女の子」が相続人となることで、確定しました。
  7. そこで早速その「子」(とは言っても40歳代ですが)と、面談し、「お父様の死亡とあなたが相続人になる」ことを説明しました。
  8. 「子」は母親に育てられ、母の再婚とともに養子縁組もされていました。
  9. 被相続人には不動産はありませんでしたが、かなりの金額の相続財産がありました。
  10. 「子」は離婚した実の父親である被相続人の記憶はなく、片親ということでかなり苦労されたようでした。
  11. そこで「子」に相続財産のすべてを相続させることにし、今まで実父がお世話になった被相続人の兄弟姉妹にいくらかの御礼をしたい、とのことでまとまりました。
  12. 結局、相続財産は「子」がすべて相続、取得し、兄弟姉妹には御礼で、その財産の中から、いくらかの金銭を支払うことで解決しました。

メール、電話、面談でのご相談は全て無料です営業時間 9:00~17:00 休日:土曜・日曜・祝日・年末年始・夏季休業
(事前にご予約いただければ休日でも対応いたします)